美容室では健気(けなげ)
こんにちは。
私は首を触られるのが苦手です。
くすぐったいというか不快感がするんですよね。普段の生活で困ることはそんなにありませんが、唯一困るのが美容室です。
美容室でサービスでヘッドマッサージをしてくれることがあります。ヘッドマッサージには首周辺の凝りほぐしがつきもののようです。
カットなどを担当してくれる美容師さんの場合は苦手なことを伝えてお断りします。
しかし、見習い美容師らしき方の場合は断れません。
まだカットはできず、掃除や電話などの業務をしている見習いさんの単独でできる美容師っぽい仕事の場を奪う訳にはいきません。
とにかく心を無にして、マッサージが終わるのを待ちます。
私にとって修行です。
見習い美容師の方はいろいろ話しかけてくれます。独り立ちするまでにコミュニケーションなども学んでいかなくてはいけません。私も練習になるようにできる限り努力します。
「力加減どうですか?」
「大丈夫です。」と伝えます。
問題はそこではありません。
そして本格的にマッサージと会話が始まりますが、首のゾワっとした感じから意識を遠ざけるために心は無です。会話が成立しているか怪しいです。
だいたい「へぇ」とか「そうなんですね」とか「ああぁ」くらいで返答します。実際に確認したことはないので、どういう感じの会話になっているかわかりません。
見習い美容師さんにとっては強敵だったかもしれません。
今まで頑張ってきたこの修行。
経験を積んで苦手が克服…
とうこともなく私は数年前に新たな道に進むことにしました。
それは美容師さん1人でやっている美容室に行くということです。
もともと美容室にこだわりがあるわけでもなかったので、脱首マッサージを求めて今は1人美容師さんのお店にお世話になっています。
あの修行の日々が嘘のように解放されました。
ところが、1人美容室でも困ったことがあったんです。
何か月か前に予約時間にお店に着くと、前のお客さんがいらっしゃいました。
そして待つこと30分くらいで前の方がお会計へと向かいます。いつもなら待っても10分くらいだったのですが、お会計の会話でそのお客さんが遅刻してきたとわかりました。
いつも私の予約時間は1時間で、カットにかかる時間は50分くらいです。
スタート時点で35分くらい押しています。
30分もしないで次の予約の男性が現れました。予定通りであれば私は帰っている時間です。
待っている男。
切っている美容師さん。
切られている私。
この空間で犯人は私1択です。
そうして全体的にもうちょっと短くしてほしいと言えず、
前髪はどうしますかと聞かれても、大丈夫ですと答え時間短縮に貢献。
帰宅し、自分で前髪を切りました。
あの待っていた男の人も、もしかしたら次にお客さんが入っていれば犯人になっているかもしれません。
他にも美容師さんやアシスタントさんがいたらシャンプーなどを分担すれば少しは遅刻がうやむやになったかもしれませんが、
美容師さん1人の美容室は冤罪事件に巻き込まれることがあるかもしれません。
ですが、あの修行にはもう戻りたくないので健気に冤罪も受け入れようと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。