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伊坂幸太郎さん「死神の精度」の感想 読んだ方と一生読まないという方にだけ読んでほしいです。

こんにちは。

 

私は作家の伊坂幸太郎さんが大好きです。

殺し屋シリーズもお気に入りですが、普段本を読まない方にもおすすめなのが「死神の精度」です。

 

 伊坂幸太郎さんの「死神の精度」を読んだ感想を書いていきますが、

この先は、この本を読んだことがある方と一生読むことがないという方にだけ読んでほしいです。

 

当たり前ですが、私の個人的な感想よりもこの本を何も知らないで読む方がずっと面白いからです。

読んだことはないけれど一生読むつもりもないという方は、伊坂幸太郎さんと何かあったのでしょうか…

 

 

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

 

 読んだことがない方のためにざっくり内容を説明すると、

死神が対象の人の調査を行い生死を決めるお話です。

 

本当にざっくりですみません。

 この本の内容で私が面白いと思ったのは死神がこの調査という仕事に全然やる気がないことです。

 

漫画や小説で主人公やヒロインに終始やる気がない。

これで話を面白くするって実はすごく難しいと思います。

 

主役にやる気がなく大ヒットしている作品がすぐに思い浮かびません…

NHKの朝ドラで過去に1度でもそんな話あったでしょうか…

 

例えばスポーツや仲間を増やして敵と戦うストーリーの場合。

 

①やる気がないし、実力もない

話を盛り上げるために周りのキャラクターの個性を強めるしかないので主人公の影が薄くなってしまいます。面白味を出すのが難しいです。

 

②やる気がないけど、実力はある

実力はあるので、スポーツや戦いでは勝ち進めます。しかし仲間たちと温度差があり、読者も感情移入できずに楽しめません。

 

最初からラスボスに勝てるゲームの楽しみ方なんてわかりません…

 

ドラえもんのび太君やちびまる子ちゃんなどのアニメ界を代表する“ぐうたら”キャラクターでさえ映画の時(毎回の放送の中でもたまに)はやる気を出し、感動的な作品が多いです。

 

最初はやる気がなかったけど、目覚めて成長していく王道のスポーツ漫画とかって、ずっと主人公を見ているから応援したくなるし、やっぱりハマってしまいます。

 

しかし、この「死神の精度」は死神にやる気がないという設定が最高なんです。

死神に感情移入しない分、生死の調査対象人物の方に気持ちがいきます。

 

死神が張り切ってしまうと、多分重い話になってしまうと思いますが、死神が淡々としていることで死というテーマでもさっぱりと読めます。

 

そして、おとぎ話のように最後に悪いおじいさんは不幸になり、いいおじいさんが幸せになるなんて話とは全く違います。

死神という非現実な話から現実を考えさせられるところが深いです。

 

意味や理由のないこともある

と思い知らされた一冊です。

 

短編になっていて読みやすくて、面白くて、でも深くて、やっぱり設定が上手くてずるい作品だと思います。

 

読んだ人の分だけ感想があると思うので

私は実際に本を読んでいただきたいです。

全然違う感想だったり、それも読書の面白いところです。

 

ちなみに続編もあります。

死神の浮力 (文春文庫)

死神の浮力 (文春文庫)

 

 

読んでいただき、ありがとうございました。