にんじん
こんにちは。
私の母は、人参が嫌いです。
嫌いだということは10年くらい前に知りました。
母は料理を、まあまあする人だと思います。
凝った香辛料をたくさん使ったり、何でも作れるという訳ではないですが、料理番組を見て作ってみたり、
近所の仲良しさん達にお手軽レシピを教えてもらったり、何度かそのメンバーでパンを焼きに地元の教室に行ったりしていました。
そこそこ料理をする人だと思います。
母が作る料理の人参。
人参は、いつも小さく薄く刻まれていました。
ミックスベジタブルの人参くらいの大きさで
ミックスベジタブルの人参より薄いです。
カレー、シチュー、豚汁、ポテトサラダ、チャーハン、炊き込みご飯など
いつも味がほとんどしないくらいの薄さです。
違う形をしていて食卓でよく見かけたのが「きんぴらごぼう」と「ひじきの煮物」ですが、濃いめの醤油味でしっかり炒められたり、煮られた人参は、人参の味よりも醤油が勝っています。
お惣菜で買うごぼうサラダ、中華サラダなどもしっかり味ですし、登場回数は少なかったです。
ですが、母が人参を嫌いだとは知らなかったです。
外食などで人参を食べた時に、多くの発見がありました。
ステーキやハンバーグに添えられた人参グラッセを初めて食べた時に
人参ってこういう味なんだな。と思いました。
人参ジュースを飲んで
人参って甘いんだな。と思いました。
スープカレーに大きな人参が入っているのを食べた時に
初めて口の中に入りきらない大きさの人参をかじりました。
初めて人参スティックを食べた時に
生で食べてお腹を壊さないだろうか?と疑いました。
人参ドレッシングを頂いて、
美味しくて自分でも何度か購入し、更には手作りするようになりました。
母は頑張って人参を料理に取り入れてくれていたようですが
私の人参の経験値は低かった。
外食や頂き物で初めて食べたものは沢山ありますが、家庭ではあまり見かけないエスニック料理や、大きなチーズを削ってかけるイタリアンなどは
周りの友達も同じく驚きと感動がありました。
ですが、人参はどこの家庭でもお馴染みの野菜だと思います。
なので、友達に驚きと感動を悟られないように
スープカレーや人参スティックを食べてきました。
母は人参が嫌いだと知った後も
自分で作る料理の人参は小さくて薄いです。
三つ子の魂百まで?みたいなやつでしょうか。
人参のイメージがやっぱりミックスベジタブルサイズなんです。
いつも材料はてきとうに切って、調味料や分量や手順だけを確認して調理しますが、
少し前から人参を使う料理は、定番サイズに直すために切り方を確認しています。
そして、数年前に姉とスープカレーを食べに行ったら
姉が「人参は抜いてください」と店員さんに言っていました。
え?
姉も?
母はうなぎが嫌い、姉は生魚やバナナが嫌いなのは子どもの頃から知っていました。
親は子に嫌いな食べ物をできるだけ隠すもの?
姉は妹に嫌いな食べ物をできるだけ隠すもの?
人参って小さく刻んで加熱したら、嫌いな人も食べられるの?
嫌いな食べ物がない私。
人参が好きな私。
全く理解できません。
読んでいただき、ありがとうございました。